小学校の読み聞かせボランティアで英語の絵本の読み聞かせをされている方、また、これからやってみたいと思っている方、どんな絵本を選んだらいいか、どのように読んだらいいのか、、迷っていませんか?
今回は、私が小学校の英語絵本読み聞かせボランティアで「No, David!」という絵本を読んだ際の子ども達の反応を中心にまとめます。絵本選びの参考になれば幸いです。
No, David! David Shannon (著)
「No, David!」 David Shannon (著)
- 邦題 「だめよ、デイビッド 」
- 読み聞かせにかかる時間 2~4分(説明や読み方によって調整可能)
- 対象学年 低学年(語数が少ないので未就園児にも人気だと思います)
『No, David!』はアメリカの絵本作家であるDavid Shannonによって書かれた絵本です。邦題は「だめよ、デイビッド」と訳されています。この絵本は、著者であるDavid Shannonの幼少期の実体験から作られており、主人公のDavidがいたずらや問題行動を通して成長する様子を描いています。Davidの活発な性格ややんちゃな一面が、子どもたちに共感を呼び起こし大変人気の絵本です。文章は少なめで英語の簡単なので、読み聞かせ初心者にもぴったりの絵本だと思います。
まず、表紙を見ただけで、子ども達は、「わー、あぶない~!」とドキドキした気持ちになって見てくれます。
表紙をめくった見返しの部分には、顔の見えない女性が「No, David!」と言っている絵があります。ここで、「この人は誰でしょう?」と聞くと、子ども達は「お母さん!」「先生?」などと反応してくれました。
ドロドロの靴で部屋の中に入るシーンでは、Davidが住んでいるアメリカでは、靴のまま部屋に入ることもあるのだけれど(家によるけど)、こんなドロドロの靴で家の中に入ったらダメだよね!と伝えました。絵本を通して日米の文化の違いを少し補足できるシーンだと思います。
「Come back here, David!」のページは、Davidが裸のまま逃げ出すシーンの絵があり、このシーンではどの年代でも笑いがおきていました。「おしりが見えてる~!」などと指摘する子もいました。
このページあたりから、空気が和んできて、ページをめくるたびに笑いが起きる流れになりました。読み手としても子ども達が笑ってくれるとホッするし、その後の流れが進めやすくなります。
「That’s enough, David!」のページでは、口の中に入っているものを英語で説明すると良いかもしれません。子ども達でも知っている単語が多いので「Chicken」「Broccoli」「Blueberry」などを指差ししながら説明してみました。
「Settle down, David」のページでは、「ベッドの上でブーツ履いてる~!」という声が聞こえたので、アメリカでは家の中で靴を履いたまま生活することはあるけれど、ベッドの上で靴を履いている人はいませんよ~、と補足をしました。
「Put your toys away!」のページも、子ども達が知っている可能性がある単語が多いので、「Dinosaur」「Bulldozer」「Teddy bear」などを指差ししながら確認しました。
「I said no, David!」のページも、アメリカの文化を伝える良い機会だと思い、「Davidは部屋の隅に座って何をやっているのかな~?」と子ども達に問いかけつつ、”Time out”について簡単に説明しました。「Time out」は、いわゆる、しつけの一環で、問題を起こしたときに、ちょっとだけ静かな場所に行くルールのことです。例えば、やんちゃなことをしてしまったら、部屋の隅などに座らせ、一定時間ひとりで反省する時間を取ることです。
Time outは、子どもに自分の行動を振り返らせ、問題行動を改善するための機会を提供する行動です。
最後のページでは、Davidがママにハグをしてもらって終わるのですが、ここは余韻を持って読むようにしました。
そして裏表紙の「Nonononononononono」をいう文字を見せて読み聞かせを終わらせました。
最後に下記の内容を伝えたところ、「え~!」「すごい」などの反応がありました。
「この絵本の作者であるデビッド・シャノンさんは5歳のときに初めて絵本を作りました。その絵本には、いたずら好きだった自分の絵が描かれ、文字は「No」と「David」だけ。シャノンさんのお母さんはこの絵本を大切に取っておいて、のちに彼が大人になったときに送りました。そうして、「No, David!」という絵本ができたそうです。」
読み聞かせをしてみての感想は、簡単な文章で短めな絵本なのに、ダイナミックな絵や色使い、またわかりやすいストーリーで子ども達が興味を持ってくれるので、読み手としてもやりやすかったです。短い絵本の中にも、文化の違いなどを補足するチャンスがあるシーンも多々あり、子ども達が楽しみながらアメリカの文化に少し親しめるところも良いポイントだと思います。低学年のお子様にしか読んだ経験はありませんが、おそらく高学年の子ども達も楽しんでくれる絵本ではないかと思っています。文章はどのページも短くて簡単で、主に絵で表現してくれている絵本のため、初心者の方にも本当におすすめの絵本です。
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